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ナムジャイブログ

2009年12月18日

ガーン・ジャオポー(土地神のお祭り) ~後編~

 さて、前編から期待させてしまった、「ガーン・ジャオポー」のメインイベントとは、実はこういう表面的なお祭り騒ぎだけではないのです。

 このイベントは土地神様である「ジャオポー」を祀ったお祭りなのですが、その主催者は建前は「市」ですが、事実上の幹事や役員は、市の商店や工場の経営者です。

 毎年、この時期が近づくと、決められた役員たちがピックアップの荷台に乗り込み、市内をひと通りまわって、お祭りの運営資金の寄付を募ります。

 店によっても違いますが、我が家は毎年500バーツ出しています。
あくまで本人の気持ちなので、隣のしっかり者の義姉は200バーツしか出さないようです。

 この金額に拠って決まるわけではないですが、この寄付をした店主は、2日目のメインイベント、中国式会席料理を食べながらの、ジャオポーのチャリティーオークションに参加出来ます。


 我が家がこの市に開業してから8年になりますが、今までオークションで落札したのは、たったの3回です。

 最初の品は、砂糖をウサギの形に固めて作った、お皿に乗った「ジャオポーの置物」。3千バーツ也。
でも、これは大失敗。
タイのアリはラップなど物ともしないので、2日で穴を開けて侵入し、3日目には見事なアリのマンションとして、占拠してしまいました。
 でも、参加することに意義を感じる主人は、何も気にしない様子でしたが・・・。


 しばらく参加せずに数年を過ぎ、昨年、主人が酔った勢いで落札したのが、ジャオポーの「馬の置物」
これは玉(プラスティックに見えるが・・・)で出来ており、さすがにアリに占拠される心配はないので、大事にしています。


 そして、今年。
 
 毎年、数ある実用品を落札しない主人に、しびれを切らし、今年は自分から、「掃除機が欲しいな~。日本から持ってきたのは、(義姉が)プラグの電圧を挿し間違えて、ショートしちゃったし・・」と言ったら、その気になり、「今年は掃除機!!」と意気込んで出かけました。
 
 しかし、あいにく掃除機はタイ人社会には浸透していないせいか、商品になく、代わりにタイ人の必需品・「アイロン」を落札して来ました。
 価格は「2,200B」の売値が付いていた有名メーカーのスチームアイロンですが、落札価格は3,500バーツ。
まあ、このオークションは寄付の意味が強いので、こんなものだろうと納得しました。

 普段は絶対自分では買わない(買えない?)メーカー、金額のアイロンだったので、棚ボタ的な気分でもありました。

 今年は商品購入時期に寒波が来ていたせいか、厚めの寝具類が多く出品され、中には、8,000バーツで落札された毛布もあったそうです。(どんな毛布だ?)

 まあ、どの商品にしても、市内の商店の品物が購入されるわけで、地元に利益を還元する、さすがは地元商工会の政策です。
 それにしても、「何で、車のタイヤとかエンジンオイルとかオークションに出してくれないんだろう・・・」と思ってしまう私でした。


 さて、商品の価値をはるかに上回る、びっくりするような金額ばかり飛び交う落札価格で、毎年最高の金額を稼ぐのがこれです。


ガーン・ジャオポー(土地神のお祭り) ~後編~


                      中央に細長く輝いているのがそれ!
                      「フアチャイ・ジャオポー」です。



これでは見難いので夕暮れの姿。


ガーン・ジャオポー(土地神のお祭り) ~後編~


                 中央に光っている電飾がこのお祭りの本物の主役なのです。



 果たして、その実体は・・・・?

 日本の幼稚園児が作る七夕の飾りももう少しマシだろうと思われるくらい、伐ってきた竹の笹の部分に何色かの電飾を絡ませただけの、本当にシンプルな飾りです。

 見た目はシンプルでも、価格はシンプルではない!というのがこれで、お祭りの主役と呼ばれるくらいなので、その落札価格は他の商品を寄せ付けません。

 今年の「フアチャイ・ジャオポー」(このお飾りの呼称です。「ジャオポー・の心臓」と言ったところです。)の落札価格は75,000バーツだったそうです。
  
 落札主は、市でも一番の大商店の建設資材店の社長でした。

 落札した店は、この電飾を来年のガーン・ジャオポーの日まで毎日点灯させる権利が有ります。
(私には義務としか感じられませんが・・・電気代もかかるし。)



 ちなみに、我が市の隣の市は、規模も大きいので、この(どこの市でもある)「フアチャイ・ジャオポー」の落札金額も大きいらしく、毎年100,000~200,000バーツ単位だそうです。
もちろん、「伐った笹に電飾と飾るだけ」という構成は同じです。


 そして、このオークションで集まった収益金で来年もまた市内の商店から商品を買い込み、カオパンサーで冷え切った、市の経済を活性化するという目的に使われます。

 これも、国王陛下の推進する「セタキット・ポー・ピャン」(有る物で足りる経済)が浸透してきた証拠でしょうか・・・。

 
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Posted by バットニャオ at 03:47│Comments(8)田舎の生活
この記事へのコメント
バットニャオ様
いやいや、素晴らしいお祭りですね!ガーン・ジャオポー!(^^)
このお祭りの真髄、市長選挙か何かかなぁなんて思ってたんすけどはずれでした。こんな街ぐるみでの街お越しもほんと素敵ですね。皆が楽しめて街全体の一体感も得られて..。
ちなみに『フアチャイ・ジャオポー』は有名な僧侶に念でも入れて貰うんですかね?これなら高いのもうなずけます。それともただ単に知名度UP(悪い表現だと見栄?)の為に??
Posted by なかちゃん at 2009年12月18日 08:24
待ってましたぁ! 後編。(笑)
なんだかすごいお祭りなんですね。8000バーツの毛布て・・・。

そして、フアチャイジャオポーって、初めて見た!!
お祭りでそんなことしてるの、家のあたりではないですよ~。
しかし、とてつもなく高いですね。モノではなく、そのものに宿る力というか見栄? (笑) 
を買うってことですかね。
日本人には、七夕飾りにしか見えなくても・・・タイ人にとって、大事なものなんですね。
Posted by ぷんぷく at 2009年12月18日 10:19
七夕に似ているのは、中国から来たのでしょうか。
まさに「いわしの頭もなんとか」ですね。

落札主が飾るときの気持ちは、優勝旗を校長室に1年間飾るのと同じようなものでしょうか。
Posted by ニヤーイ at 2009年12月18日 22:08
おー、あれはそういうものだったんですか。よく飾ってありますよね。アカーンパーニットの屋上なんかに...なんのおまじないかなあと見るたびに思ってました(でもすぐ忘れてた)。

しかし、アイロン3,500バーツを「棚ボタ」と思われるバットニャオさんはいい奥さんです。うちならガラスコップがひとつや二つ割れる夫婦喧嘩に発展しそうです(笑)。
Posted by NAPPY at 2009年12月19日 01:33
いやあ、ディープなお話ありがとうございます。
お祭りの運営資金は寄付なんですね。。。。。って、日本と一緒じゃないか!
昔うちが住んでいた地区は、寄付をしない地区だったので、ダンジリも来ませんでしたし、子供たちに果物を配っているとき、私に対して「この子は、あの地区の子だから上げる必要がない」と言っていた大人がいたりしました。「ええやんか」と別の大人がとりなしてくれましたが。寄付というのは、寄付をする人は、お金と引き換えに、「相当な無形の価値」があるのは、日本もタイも一緒なんでしょうね。 なにしろ、金払いが良い人は、「ジャイデー」=「良い人」と呼ばれてしまうわけですから。ちなみに、「ガーン・ジャオポー」という言葉も今回始めて知りました。ジャオコンのジャオにクンポーのポーですね。ちなみに、若いバンコクのタイ人何人かに「ガーン・ジャオポーって知っているか?」と尋ねると、一人も知りませんでした。バットニャオさんは、タイ人を超えた?
Posted by さくらぎちょう at 2009年12月19日 03:59
☆ こういったお金にまつわるお話を見聞きするたびに感じるのが、タイには、タイ人はお金持ってるじゃん! ということです。
うちの工場にもチャイヤプーム出身が30名はいますので、年末のボーナスを持って帰省し、地元に貢献しているのかなあと思っています。
私はスリン県に援助してますが。
Posted by ピヤポン at 2009年12月19日 06:04
「フアチャイ・ジャオポー」 唖然としましたぁ~☆

「何ですか これ ?」って 感じで。。。。。。!!!!!

やっぱり、パットニャオさんは すご~い!
この世界で力強く生きていらして、パワーを感じます。
Posted by チャンドラ at 2009年12月22日 17:48
すっかり、コメントへの返事が遅くなりました・・・。

なかちゃんさん、こんばんは!
フアチャイ・ジャオポーに高僧の念とかが入っているかというと・・・残念ですが、単なる飾りです。
とはいえ、一応、お祭りの前にジャオポーの祠に奉納したりするようなので、ジャオポーの念が入っているのかも?
でも、実際のところ、「今年は誰が一番の落札者か?」というところに注目が集まり、落札者としての見栄というか、象徴的な部分が多いです。


ぷんぷくさん、こんばんは!
そうなんですよ、8,000バーツの毛布とか、1000バーツ以上もするミカンの盛り合わせとか・・・。オークションの付加価値の付いた品物が目白押しです。
我が家のアイロンも、私にとっては、「思いがけなく普段使わないような高級メーカーのスチームアイロンが手に入って、しかも街に寄付出来たのだから、儲け物かも?」とか思ってしまうようになったことに、「知らずのうちにタイ化している自分」に気がつき、怖ろしくなります・・。


ニヤーイさん、こんばんは!
そうですね、中国文化の影響なのでしょうか?
竹を使うのは・・・。
でも、個人的には、もっとワイヤーか何か入れて、きれいな骨組みを作り、本物の龍や、天馬とか、それでなければ、ミッキーマウスとかの形にして電飾すればいいのに・・と思います。
「優勝旗を校長室に一年間飾る」・・・言いえて妙ですね。


NAPPYさん、こんばんは!
私も最初のころは、変な飾り・・・(センスがない・・)くらいに思っていました。
でも、それが2十万バーツ(隣町の部品店経営の親戚が落札した年があった)と聞いて、まさにギョッ!としました。
我が家は、絶対に落札することはないでしょう・・。
旦那も節約家だし、私も「電気代の無駄」と思ってしまうので・・。
上のぷんぷくさんのコメントにも書きましたが、どうもタイ化が進んでいるようで、何だか自然に「儲け物」と思ってしまった自分がいます。
別に「いい奥さん」な訳ではないんですよ。


さくらぎちょうさん、こんばんは!
そうですよね、私の田舎のお祭りも寄付者の名前なんか書いて貼ってありました。
でも、日本のは役割分担というか「義務感」が強くないですか?
だから、寄付しない人は協力的でないという風に判断されて、仲間はずれですか?
でも、タイのわが田舎では、お祭り前の寄付金集めでは出せる範囲で(タムブンと同じで10バーツでも20バーツでもいい)、このオークションではみんな街の仲間との交流を楽しみながら、寄付をするというのがタイ風でしょうか。


ピヤポンさん、こんばんは!
そうなんですよね、タイ人って結構お金持ってる人は持ってる、私たちなんかよりずっと金持ちです。

ところで、スリンでしたっけ?ブリラムかと勘違いしてました。
それから・・30名もいるんですか? チャイヤプム出身者が・・。
うちにも貢献してくれるといいんですが・・。


チャンドラさん、こんばんは!
普通の日本の常識から考えたら、「何・・これ?」って感じですよね。
やはり、イサーンと日本では世界が違ってしまうようです。
Posted by バットニャオ at 2009年12月27日 01:24
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