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ナムジャイブログ

2009年10月25日

トート・カティン

 トート・カティン


 カオ・パンサー(安居節)の期間(やく3ヶ月)も終わり、長く続いた雨期に終わりに近づき、オーク・パンサーが済むと、各所のお寺で 「トート・カティン」のイベント(お坊さんに新しい法衣を献上する儀式)が行われる。

 そう、法衣と言うのは、タイのお坊さん(小乗仏教と呼ばれる仏教僧は皆同じだが・・)がまとっている、あの黄土色や山吹色の黄色系の僧衣のことである。

 私は女性なので、近くで脱いで見せてください・・と言うわけには行かないので、確信はないのだが、大昔に主人が出家したときに見た限りでは、腰から巻く布と肩から掛けるようにして被る上衣に分かれていた気がする。

 まあ、それはともかく、この 「トート・カティン」とは、建前上は安居節の期間、外出を控えて基本的にはお寺の中だけで生活していたお坊さんに、外出が許される時期になったので、新しい法衣を献上しようという仏教の恒例の年中行事の一つである。


 以上が、「トート・カティン」の定義なのだが、実際は、もちろん法衣の献上や普段のタムブン同様、食物や生活必需品の寄進もあるのだが、やはり 「世の中現金が一番」ということで、普段の日以上に、多額の現金や小切手の寄進が、お寺に集まる。


 我が家の近くにある、「ワット・カオ・ターゴッ」というお寺には、「アジャーン・チュー」という有名なお坊さんがいるのだが、そのため、そのお寺にはバンコクをはじめ、タイ全土からも信者が集まってくる。

 そのお坊さんは、地元の庶民の助けになるようにと、その寄付金を使って、進んでダムや道路の開発を行っているので、「開発僧」とも呼ばれている。
 
 そういう開発には、たくさんの工事車両や、運搬車両を使うため、そういう車両を寄付する金持ちも多い。
そして、わが家の主人はそういう莫大な寄付は出来ないので、せめてその車両の修理部品やエンジンオイルなどを、お寺の作業員が来たときにすぐに持っていけるようにと「お寺はの信者は顔パスでツケOK」ということにしているため、お寺のために一年間のツケを許している。

 そして、お寺の信者の作業員たちは、自分で払うのではないので、遠慮なくどんどんツケで持っていく。
中には、自分の個人的なものまでお寺のツケにしたり、お寺のツケで買ったものを勝手に売り飛ばしてしまう信者もいた。
(悪事がばれて追い出されたが・・・)

 私はこういう信者たちを見ているので、どこのお寺でも「自分は信者」だと言いきる人は信用できないと思っている。
大きなお寺には多額の現金が動くため、楽しておこぼれをもらおうとしがみついている、コバンザメのような信者がとても多い。

 コラートにある、全国的に有名な僧の一人(ちなみに僧侶を「一人」と数えるのは間違っているのだが、このブログは日本語なので便宜上こう数えた。) 「ルアン・ポー・クゥン」のワットでも、お寺の財産である仏像や守護符などを信者たちがこぞって売り飛ばしたりして、お寺の財産を食い尽くしているというのはあまりに有名な話である。

 
 まあ、信者の愚痴はともかく、先週の「トート・カティン」で、3ラーン(3百万バーツ)という大金が入ったお陰で、我が家の昨年の11月から溜まっていた3セーン(30万バーツ)以上という、我が家には苦しかったツケがようやく精算された。

 よく主人は、「うちはワットに一年間のツケをオーケーしている。」というのを自慢していたが、本来は、月極めで集金に行っても構わないらしい。
 一年で30万バーツ以上のツケをさせて苦しい経営状態で大口を叩くより、毎月集金して、日々の生活で食物などのタムブンに励むほうが、よい信者だと思うのだが・・・。

 幸い、熱心な信者の義姉が月々の集金を勧めてくれるので、主人が体調不良で休んでいるこの時期に、そういう方針に変えてしまおうかと企んでいる。


 この時期だけではないが、正式なタイのお坊さんは現金に触れてはいけないということになっているのわりに、タイのお寺の中には、多額の現金が動いていることが多い。
 あのお寺の煌びやかさは、庶民からの寄付金の賜物に他ならない。
どんなにケチな人でも、お寺へのタムブンには金額を惜しまないのがタイ人である。
 現世の不幸は前世のタムブンが足りなかったから。
 現世のタムブンで、来世の良し悪しが左右される。


 そのため、みんな、こぞって自分の今以上に素晴らしい来世に投資するのである。


トート・カティン





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Posted by バットニャオ at 02:16│Comments(9)タイ仏教
この記事へのコメント
ご利益(ごりやく)ならぬ来世のためのタンブン・・・なんちゃって仏教の日本人には到底理解が出来ないのです。現世での寄付など良いことは現世での見返りを期待するものですからね。だけど莫大なお金が動くお寺のウラ事情は、どこの国でも似ていると思うが、タイは特別かも知れませんね。でもツケが清算されて少しほっとしましたが、仰る通りにワットには月々回収されたほうが良いと思います。その方が、ワット側の信用も代理で大口叩ける!ってもんよ~。
Posted by HIDEHIDE at 2009年10月25日 09:07
売掛金清算おめでとうございます!とりあえずパーティーですね(笑)。

しかし、私も「安居」期間中はお坊さんがお寺にこもると理解していたのですが、最近は特にそういうこともなくフツーに毎朝托鉢して歩かれている僧が多いのです。市民もごくフツーの顔して、お供え物を準備して家の前で待っていたりします。

しかも「僧侶はお金を使ってはいけない」のですが、バンコクではIT関係のショッピングセンターにやたら僧侶が多いですし(よくパソコンは勉強のためだから僧侶でも購入する権利がある、とか言ってますが)、通勤途中にあるガソリンスタンドのコンビニではちょくちょく食べ物を選んでいるお坊さんを見かけたりします(お金は別の人が払うのかな?)

そういうことを言ってはいかん、とうちのダンナが言うのですが、どうも最近僧侶のモラルが低下しているように感じてなりません。残念なことです。
Posted by NAPPY at 2009年10月25日 09:36
売掛金清算おめでとうございます!

信者はツケOKとの事ですが、どうやって本物と偽者の信者を見分けるんですか?悪意を持つ人が出る様な気が…
Posted by Yo at 2009年10月25日 10:02
☆ 私は来世より現世が大事だと思うのですが。

タイの方々も目先の現金に血走っているように感じています。
Posted by ピヤポン at 2009年10月25日 11:43
バットニャオさんこんにちは。
 私が以前住んでいたコンケンの大寺院の本堂には売店があって、お寺や仏教にまつわる様々なグッズ(お守りや仏像、高僧の写真等)を売っていましたが、売り子は黄色い僧衣を着た少年僧たちでした。
 お坊さん現金に触れてはいけないと言う話を聞く度にその事を思い出すのですが、見習いは関係ないんですかね。
Posted by ファン at 2009年10月25日 14:13
パットニャオさん
集金大変ですね。早めにしないと回収不可になるかも。坊主の失踪もまれにあるようです。
私の最近読んだ本では、寺の腐敗ぶりと庶民の悲しさが描かれていました。同感です。拙ブログご覧ください。この本はふるいのですが、たぶん、今でも変わっていないのではと思います。
Posted by ランナム at 2009年10月25日 18:15
30万バーツの売掛金、すごいですネ!
タイではかなりの金額でしょ。(日本でもキツイと思います)
ご信仰の賜物ですから、何とも言えませんが??

今国王様もご病気でらっしゃるとか。
タイでは、仏教関係者と王族、大切のようですね。
Posted by チャンドラ at 2009年10月25日 18:22
お寺に集まるお金はもちろんキチンと管理がされているようですが、そこはタイですからね、ズサンなところもあると思います。

妻のお兄さんの住職ですが、もちろんお寺にタンブンされたお金は自由には使えません。
バイトではないですが、お坊さんの出張として出かけてもらったお金は自由に使えるような感じです。
それと最近は学校で週に1回ぐらい講義を持っていて謝礼もあるようです。

まぁ、お坊さんでも少しはお金を持っていないと出かけた時に水もの飲めませんからね。(笑)
Posted by ドラえもん at 2009年10月28日 16:21
HIDEさん、こんにちは!
そうですよね、日本人だったら普通、現世での見返りを期待しますよね。
輪廻転生の思想が浸透していない日本では当然ですが・・・。
タイでは、現世には何の期待もないのか・・と時々嫌になります。


NAPPYさん、こんにちは!
そうなんです!やっと一番大口のツケが精算できたのですが、そのお金はパーティーどころか、すべて銀行の小切手の支払いに・・・。
先々月から、残高がマイナス続きで、利子を取られていたので、やっと、利子を払わなくて済むようになりました。(でも、束の間かも・・。)


Yoさん、こんにちは!
見分けるとかではなく、お寺の信者でお寺専属の運転手をしている人は大体決まっているんです。
新顔の人が来たら、一応確かめますが、古参の信者の中にほど、お寺に吸い付いて生活している輩が多いので、こっちもわかっていても言えないし、ジレンマです。
お寺の住職というか「大僧侶」の方も「まあ、構わないから・・」と心が広すぎるので・・・。


ピヤポンさん、こんにちは!
そうですよね。来世より現世でしょう!
ピヤポンさんは、まさに現世を満喫していらっしゃるようですね!
羨ましい限りです。


ファンさん、こんにちは!
最近では、自分の懐や提げ袋から現金をサッと取り出す僧侶も多いですから、小僧さんに限った話ではないようです。
我が家のお客でも、自分で車を運転してきて、部品を買っていくお坊さんがいますよ。
ただ金銭の受け渡しは、私は女なので、テーブルに置いてから、間接的に受け取りますが・・。


ランナムさん、こんにちは!
勉強熱心なんですね!最近は本を読む余裕も無いので(読む本もないですが)もっぱらネットで勉強です。
ブログ行かせていただきますね。


チャンドラさん、こんにちは!
そうなんですよ。日本円にしたら100万くらいでしょうか?
日本にいる頃は、すごい大金だったのに、ここで商売始めてから、金銭感覚が麻痺しています。
タイ人の影響かも・・・?
でも、この金額は、信仰しているお寺だから・・なんですよ。


ドラえもんさん、こんにちは!
そうですね。寄付されたお金がどこに行くのか・・・?
かなりの金額が、こういった、コバンザメたちの懐に入って行きそうな気がして、納得行きません。
Posted by バットニャオ at 2009年10月29日 14:57
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