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ナムジャイブログ

2011年03月30日

次男の中学受験~その2

前回からの続き・・・・。

 さて、そんなこんなで合格発表があったのだが、今年と長男の年とでは、だいぶ様子が違っていた。

 まず、長男が入学したときは、合格者発表は、学校名と名前だけで、順番も受験番号順、よくある受験発表と同じだった。
これが、試験の公平さをさらにあやふやにしていた。

 そして、合格発表の後、すぐに合格者の保護者だけ集められ、一通り学校の説明と校長からの祝辞が済むと、いきなり、校長はこう言った。

 「さて、合格者の保護者の皆さん、今まで説明してきた我が校のすばらしい設備があるのは、ひとえに皆さんの寄付金のお陰です。コンピューター室に一人一台のコンピューターを設置。校門のところの学校名の看板は、20万バーツ掛かりました。まだまだ寄付金が必要です。これから紙を配りますので、そこに可能な寄付金額を記入してください。これはあくまで予算を立てるために使いますので、今すぐ納金しなくても結構です。新学期が始まる頃に用意しても構いません。ですが、この紙はジャオ・ポー(チャイヤプムの守り神の「ジャオポー・パヤレー」)」の像に納めますので、書いた金額を実行しないと、ジャオポーの罰が当たりますよ・・・。」

 と、遠まわしに言ってはいるものの、これは寄付金の催促と脅しではないか?と思った。

 まあ、それがタイの学校の常識なのだろうと思った私は、そのときは、一年当たり1,000バーツと考え、3,000バーツの寄付をした。
それが最初で最後だったが・・・。

 それよりも驚いたのは、校内放送で堂々と、不合格者の保護者を集め、「不合格者のための依頼入学(つまり裏口)」の志願者を募っていたのである。

 私は参加していないのでわからないが、その裏口で子供を入れた保護者の話によると、一人当たり、3万から5万バーツという金額を提示されたらしい。
実際、我が家の近所でも、毎年何人かは、この裏口で入学しているというのも事実らしい。

 ただ、こうした自分の実力の伴わない学校に入学した子供たちは、一様にして、入学後は授業をサボったり、出ても学力が追いつかないので、赤点の連続で、卒業が出来なかったり・・・という、親がお金の無駄だった・・というのはともかく、子供にとっても良くない結果に終わっているのがほとんどのようだ。
 
 だから、我が家では、「試験で入れなければ、他に自分の実力で入れる学校に入れ」と言っている。
今年、次男がまだ試験を受けてもいないうちから、義母が電話してきて、

 「○○さんの知り合いがロンリアン・チャーイで教頭先生をしているから、口を利いてもらうように頼んでやろうか。」などと、自分の孫の実力を信じられないのか、孫のかわいさ故の心配か、我が家にとっては、余計なお節介を焼いてきた。

 もちろん、我が家の方針を話し、丁寧にお断りしたのだが、こういう風に、第三者が世話を焼く場合も多い。さすがは親戚社会のタイである。

 
 ところが、今年のロンリアン・チャーイは以前と違っていた。

 実は、昨年の後期から、何の理由でかは知らないが新しい校長先生が、ノンブアデーン高校から来ていたのである。
この校長先生は、今までの校長と180度違う人物で、まさに清潔な方針で学校を改革しているのだ。

 今まで、当然のように行われていた、「裏口入学」が今年は行われない・・という校内放送が流れていた。
受験の申し込みの受付の先生も、

 「今年は、裏口はないからね、しっかり勉強しないとダメだよ。」・・・と受験の二日前に言っていた。(今頃言ってどうする・・。)


 そして、合格発表の日も、制服の申し込みの受付をする先生方が、口々に

 「今年は、学校への寄付はなしですよ。しちゃいけないんです。・・あ、でも教師への寄付は受け付けますが・・・。(笑)」などと、冗談を言い合っていた。

 このとき私は、まだ半信半疑だったが、寄付がないということで、少しさわやかな気分になった。

 
 その二日後の保護者集会で、その噂の有言実行の校長先生が舞台に上がり、直接その考え方や方針を話した。
その舞台上で、マイクを通して、校長が言ったのは、

 「私は、この学校を変えて見せます。そのひとつに学校の施設の整備がありますが、今年は我が校は寄付金を一切受け取りません。裏口入学もありません。皆、受験で入ります。毎年、裏口で入った生徒に、県会議員や国会議員の子息もいますが、彼らは往々にして、授業を受けず、校内でブラブラしていたり、赤点だらけで、学校に来る意味がありません。それから、今年は、試験の結果も公表しています。補欠もすべて表示しています。当初、確保されていた「学区内の生徒の抽選入学」の枠も取り払って、その分補欠の生徒を繰上げで合格とすることにしました。これで、百人以上の補欠の生徒が合格になります。」

 「ということで、昨年まで毎年この時期に学校に入っていた裏口の寄付金は、大体2百万バーツくらいらしいですが、今年からその金額は1バーツも入らなくなります。学校は2百万バーツの損失ですが、心配しないでください。」


 と、ここまで裏口のことを公表していいのかどうか・・・と思うくらい、堂々と喋り続ける新校長先生に、私は感動すら覚えたのだった。

 日本なら、裏口というくらいだから、「裏のこと=公に出来ないこと」 なのだが、タイでは違う。
学校が裏口入学を受け入れていたことも、その金額が毎年2百万バーツにも上るということまで、隠す必要もないのである。
まるで、受験の方法のひとつに、「裏口」というのがあるという感じである。

 この新校長のような人は珍しいので、長男の話では、学校の教師の中でも、この校長の方針に賛成派、反対派に分かれているらしい。
反対派というのは、今まで前校長とともに、甘い蜜を吸っていたお仲間なのだろう。


 何はともあれ、この校長先生が変えてくれた新しいロンリアン・チャーイに5月から通える次男と長男を、誰よりも喜んでいるのは他でもない私かも知れない。

次男の中学受験~その2

                     無事卒業し、5月から新入生になる次男




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Posted by バットニャオ at 02:04│Comments(13)タイの学校事情
この記事へのコメント
すごい校長先生が来ましたねえ。

2百万バーツという利権?がなくなるわけですから、反校長派の動向が気になります。

口利きのブローカーもいたでしょうし。
Posted by ニヤーイ at 2011年03月30日 02:12
2百万バーツ/年ですか、6倍すると12百万バーツ!?(日本の私立医大並みですね。)道理で、あれこれとエクストラなお金がかかるわけだ。タイでビジネスをするには。
Posted by p_tak at 2011年03月30日 02:13
立派な校長先生ですね。
感動しました。

でも、寄付金は今までどのように使われていたのでしょうか。
寄付金がなくなると、今年からの予算はどうなるのでしょう。
Posted by チャンドラ at 2011年03月30日 02:14
ニヤーイさん、こんばんは!
本当にすごい貫禄でした。あと1年半で退職になるそうで、それまでに学校を視察して、やるべきと決めたことを遣り通すのだと熱心に語っていました。
でも、反対派の風当たりなどがありそうで心配ですが、あと残り2年弱なので、反対派も黙っているかも知れません。

p_tak さん、こんばんは!
裏口の生徒一人に付き、2~5万バーツです。
それが毎年の収入源になっていたのですから、学校も先生も潤うわけです。
でも、タイ人の金銭感覚は、なかなか信じられない桁の場合が多く、普段宝くじ販売以外収入もない義母も、急に電話をかけてきて、「どこどこの土地が売りに出されてるから、買ったほうがいいよ。3ラーン(3百万バーツ)だって。」といとも簡単にこういう桁の金額を口にするので、私たちも麻痺してしまいます。
それを私の実家の母に借りたいと言い出したのですが、1千万近い金額、そうそうポンと用意出来るものではないですよね。
それを電話で借りたいと言えというのだから、困ったものです。


チャンドラさん、こんばんは!
寄付金の用途は、一応学校の施設の建設・修理・機材の購入と言っていますが、それがすべてとは思えません。
かなりの金額が、校長の懐に入っていたものと噂されています。
それに、教師たちにもおこぼれがあったとか・・。
まあ、噂は噂ですが・・・。
その新校長は、今年中に国旗掲揚の柱とその周囲のドームの建設をうたっていますが、その費用は、県内にある大手バス会社がスポンサーになる約束が出来ているそうです。
「だから、皆さんは心配無用です!」と宣言していました。
Posted by バットニャオ at 2011年03月30日 03:32
ニヤーイさん、こんばんは!
本当にすごい貫禄でした。あと1年半で退職になるそうで、それまでに学校を視察して、やるべきと決めたことを遣り通すのだと熱心に語っていました。
でも、反対派の風当たりなどがありそうで心配ですが、あと残り2年弱なので、反対派も黙っているかも知れません。

p_tak さん、こんばんは!
裏口の生徒一人に付き、2~5万バーツです。
それが毎年の収入源になっていたのですから、学校も先生も潤うわけです。
でも、タイ人の金銭感覚は、なかなか信じられない桁の場合が多く、普段宝くじ販売以外収入もない義母も、急に電話をかけてきて、「どこどこの土地が売りに出されてるから、買ったほうがいいよ。3ラーン(3百万バーツ)だって。」といとも簡単にこういう桁の金額を口にするので、私たちも麻痺してしまいます。
それを私の実家の母に借りたいと言い出したのですが、1千万近い金額、そうそうポンと用意出来るものではないですよね。
それを電話で借りたいと言えというのだから、困ったものです。


チャンドラさん、こんばんは!
寄付金の用途は、一応学校の施設の建設・修理・機材の購入と言っていますが、それがすべてとは思えません。
かなりの金額が、校長の懐に入っていたものと噂されています。
それに、教師たちにもおこぼれがあったとか・・。
まあ、噂は噂ですが・・・。
その新校長は、今年中に国旗掲揚の柱とその周囲のドームの建設をうたっていますが、その費用は、県内にある大手バス会社がスポンサーになる約束が出来ているそうです。
「だから、皆さんは心配無用です!」と宣言していました。
Posted by バットニャオ at 2011年03月30日 03:33
☆ その校長は首相になって欲しいですね。
Posted by ピヤポン at 2011年03月30日 09:23
タイでも「表向きは」こういう人が評価される風潮になってきており、まずはうれしいです。

でもこういうクリーンな人が年をとって権力もなくなり、お金がなくなると誰も見向きもしなくなる…そう聞くとちょっと悲しい。

社会的に老人福祉とかも充実させないと、年を取るほど先の不安から懐を暖かく、ってなっちゃうのかも…。
Posted by NAPPY at 2011年03月31日 09:35
突然のコメントで失礼致します。
新庄と申します。

ドラマのような事が現実に起きているのですね。息子様、ご卒業おめでとうございます。

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Posted by 新庄やよい at 2011年03月31日 14:27
ご無沙汰です。

裏金が堂々とまかり通りタイなので、このような厳格な校長先生は珍しいでよね。
今思えば家を出たゴイがワンサプーンの学校に転校する時にサザエが2万バーツ払っていましたが、明らかに裏口だったようです。
やっぱりよく学校をさぼり、結局卒業出来ませんでした。

子供は自分の実力にあった学校に行くべきですね。
Posted by ドラえもん at 2011年03月31日 14:33
新庄やよい様:ウーム、なんかシラケルのですよねえ。ここでご商売とは.......。
Posted by p_tak at 2011年03月31日 23:21
NAPPYさん、こんばんは!
そうですよね・・、タイの公務員、基本的に薄給ですからね。
でも、校長レベルになると、月給10万バーツとかもあるらしいですが・・・。
懐は暖かいに越したことはない・・ということでしょうか。


新庄やよいさま、こんばんは!
ご商売の繁盛をお祈りいたします。

ドラえもんさん、こんばんは!
こちらこそ、ご無沙汰してます。
ネットする時間が限られているので、なかなかコメントできずにいます・・・。
ゴイちゃんは姪御さんでしたっけ?奥様がお金を出してあげるのですね。
やはりドラえもんさん夫婦が親戚の銀行みたいなものになっているのでしょうか?
でも、タイ人は親戚の甥や姪が進学なんて話になると、みんなで出し合ったりしますよね。
うちも甥を警察の士官学校に入るために、10万バーツを出すかどうか相談していたことがあります。

p_tak さん、またまた、こんばんは!
そうですね・・。こういうコメントは、たまにありますが・・・。
Posted by バットニャオ at 2011年04月01日 03:35
始めまして
NAPPYさんのブログを読んでいて「バットニャオさんのブログに不愉快なコメントがある」と書かれていましたので、気になって覗いてみたくなりお邪魔しました。
なるほど!何処にでもいる愉快犯ですね。
被災地の人とは関係ない人でしょう。
全く気にすることはありませんよ。

それにしても、NAPPYさんに返されたコメントには感心させられました。
よく日本を見ておられる。
全くバットニャオさんのおっしゃる通りだと思います。
それについては、もっと話したいところですが、初めての訪問ですから遠慮しておきますね。

今回、久々に覗かせてもらいましたが、バットニャオさんのブログは相変わらず中身が濃いですね。
読んでいていつも引き込まれます。
書き込みは今回初めてですが、ずっと前から『子供に学ぶタイ語』の方は読ませてもらっています。
自然と共に子供達がたくましく育っていく姿が素晴らしいです。
小さい事は気にせず、これからもガンバって下さいね。
Posted by はく at 2011年04月02日 01:43
ピヤポンさん、こんばんは!
順番が逆になって失礼しました。
そうですね、でも、こういう人がもしも首相になったら、タイでは翌日には暗殺されてしまうかも・・ですね。


はくさん、はじめまして、こんばんは!
訪問いただいてうれしいです。そうですね、私も被災地のニュースは、この数週間、毎晩夜中の2時3時までネットで読んでいますが、どれも本当に心が痛む記事ばかりです。中には、うちの子供と同じくらいの子が亡くなった、行方不明である、もしくは、両親や家族を亡くされた・・・などという記事を読んでいると、もう涙が溢れて止まりません。
あのコメントを書かれた方が、そういう被災者の方でないとは言い切れませんので、私なりに、反省した面もあります。
話は戻りますが、この数日は少し落ち込み気味なので、更新は延びるかも知れませんが、また、更新しましたら、ぜひ覗いてみてくださいね。
また、コメントお待ちしています。
Posted by バットニャオ at 2011年04月04日 02:15
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