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ナムジャイブログ

2010年05月31日

幼稚園に見た「タイ社会の縮図」~その2

 前回からの続き・・・
 
 こうして、この年になって、タイでの幼稚園生活が始まった。

 今まで、家族はもちろん、周囲も大人、我が家に来る客ももちろん大人ばかりで、同じ年の子供と遊ぶ機会がなかったミックは、初日、二日目・・・と経っても、私の側から離れることなく、スナック菓子を片手に慎重に幼稚園の同級生を観察していた。

 私は、上の三人の子供を日本の保育園に入れていたことがあるのだが、そこでは、朝ごはんを食べさせてから登園するのは当然、おやつも10時と3時に保育園の栄養士さんが一所懸命考えられたメニューの手作りおやつが出され、私にとって、「日本の保育園は素晴らしいところ、『どこでもドアー』があったら、上の三人が通った『ベルガーデン保育園』に通わせたい!」と心から思うほど、楽しく、幸せな思い出の場所である。

 そういう経験から、タイに移住してみて、もう、上の3人が少しばかりの幼稚園生活を送った時点で、タイの保育園、幼稚園には、「終わったな・・・。」と諦めていたのだが、この村立学校付属の幼稚園には、少し期待をしていた。
しかし、やはり予算の都合か、「小学生に一人の先生は、大丈夫」だが、まだ分別がいまひとつの「幼稚園児集団に、一人の先生」では、先生はいつトイレに入るのだろうとか、余計な心配までしてしまった。

 実際、トイレは教室の中にあるのだが、いくらなんでも学校の先生が、私が上の3人が小さかったころの子育て中にしてきたように、トイレのドアを開けっ放しで用を足すわけには行かない。
 当然、先生がトイレ中は、クラスの中はまた子供たちの竜巻状態になる・・・・。

 
 子供たちの中には、生まれつきヤクザの血が流れているような子供が2~3人いて、4歳児ながら、肩で風を切りながら歩き、ちょっとぶつかるたびに「おうおう!」と言いがかりをつけている。
目が常に見開いていて、口はへの字の容貌に、母の心配から、ミックには「近づかないようにしなよ。」と耳打ちして置いた。


 その後、先生がトイレから出てくると、またDVDの『カーン・クルワイ』を流し始めた・・・。
しかも、今日も最初から流すので、タイ映画のつまらない予告版まで、この数日見たのと同じである。
私はもう、開いた口が塞がらなかった。
何故、ここまでこの先生は『カーン・クルワイ』にこだわるのか・・・。
いつか、機会を狙って聞いてみたいものだと思った。


 さて、お決まりのDVDの上映が始まると、今度は先生が課題のプリント(塗り絵と簡単な思考問題)を配り始めた。
先生の指示で、子供たちが列に並んで行く。先にもらった子はどんどん自分の好きなところに寝そべって、塗り絵を始めて行く。
 そう、この幼稚園には先生の以外、机や椅子と言うものはない。
だから自分の指定席もない。
確か、長男が半年ほど入園したランシットの私立幼稚園には、机や椅子があった記憶があるが、これも都市部と地方の格差か、そういう備品を購入する余裕はないし、普段、机や椅子に座らない子供たちも、この方が慣れているらしい。

 よく、日本の小学校入学時などに、学習机やランドセルを買うのはお決まりの行事だが、タイの入学時には、何万もするたいそうなカバンを買う必要もなく、子供たちはその辺の雑貨屋で売っている百バーツもしないヘンなキャラクターが描かれたお子様リュックで十分なのである。
そして、家に帰れば、床やに寝転んだり、階段の段差を利用して宿題をする。
 基本的に小さいうちは子供に余計なお金を掛けないのが、タイ式である


 話は逸れたが、この課題の配布時に並んだ列で、私はまた怖ろしい現場を目撃した。
相変わらず、私の横でゴロゴロしながらスナック菓子をパクついているミックからふと目を逸らして、子供たちの列に目を向けると、例のヤクザ小僧の一人が自分の前にいる子供の脇に手を挟み、二人で身体を揺らしながら、さらにその前にいる子供にぶつかったりして遊んでいるようだった。
 ふと、そのぶつかられている子供が脇をさすっているように見えた。

・・・・「ん?」何だか様子がおかしい。
 「あっ!!!」・・・その友達の脇に挟んで捕まっているように見えたヤクザ小僧の右手には、まだ削ったばかりの鉛筆が・・・。


 その前にいた子供に向けて刺して遊んでる!?

 「こら~~!!やめろ~~!!」
と言ったが、騒然としたクラスの中では聞こえないので、私はミックを置いて、ぱっと立ち上がって、その列のそのヤクザ小僧の手から、鉛筆を取り上げて、「こんなことするんじゃない!」と言って睨んだ。

 幸い、その刺されていた子も大したことはなかったらしく、その後は普通に遊んでいたが、そのヤクザ小僧も「何?」という程度で、自分のやっていたことは遊びの一部だったという感じだった。

 しかも、これだけのことがあったのに、列の頭でプリントを配っている先生は、気付いていなかった・・・

 そして、プリントの配布が終わると、先生は

「はい!みんなここに丸を書いて、果物は塗り絵をしましょう!」

と言いながら、何事もなかったかのように(実際、先生にとっては何事もなかったのだが・・・)、また、本日二度目『カーン・クルワイ』のDVD上映を始めた・・・・しかも、また最初から・・・・。

 そうしている間に、今度は塗り絵が終わった例のお姉さん格の3人組が先日のように、二人で一人を羽交い絞めにし、今度は往復ビンタではなく、お腹を拳でパンチし始めた・・。

「こら~!!!そんなことするんじゃな~~い!」

 またもや、先生は机に向かって宿題の添削の最中で見ていない・・・。
この3人、何を考えているのか・・。明日は、ムワイ・タイ(タイの国技のキックボクシング)のように、蹴りが入るかもしれないな・・・と思った。
 

 そんなこんなで、私は、ますます、ミックを置いて帰る気にはなれず、昼寝をしたがらないミックと一緒にお昼で帰宅することにした。


 このような状況で、この二週間の幼稚園生活が過ぎた。

 明日は、月曜日、幼稚園生活も三週目に入る。
いつになったら、ミックを安心して置いていけるのか、いつになったら、ミックがこの過酷な幼稚園生活に立ち向かう気構えが出来るのか・・・・。

 その日まで、私の幼稚園生活は続きそうである。




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Posted by バットニャオ at 03:30│Comments(11)タイ人の実態
この記事へのコメント
うーん、今日のお話もいろいろ考えさせられますね。

まず、前回に続き、子供の揉め事に咄嗟に仲裁に入れるバットニャオさんに拍手です。
自分だったら呆然として何もできないかもしれない。
やはりお母さんは偉いと言うか。

もう一点、ヤクザのような子供ですが、こういうのを見ると子供をタイで育てるのは怖くなりますね。
一方で、うちの娘の身体の秘密がわかった気がします。
うちの娘、体重がかなり重たい(一歳半で14Kg)なんですが、贅肉はあまりありません。
筋肉の塊のような身体をしています。
胸板はかなり分厚く(大胸筋がすさまじく発達しています)
おむつ姿は赤ん坊と言うより、番付の高い相撲力士の風貌です。

逆に言うと、それくらいの体格をしていないと、タイの厳しい子供生存競争は生き抜けないという、自然淘汰の結果なのもしれませんね。
Posted by 高田亨 at 2010年05月31日 07:39
こんにちは。
さて、‥  早く「子供離れしなさい。」(可愛い末息子でも。)
現実の世界にミック君が生きてゆけなくなります。
 これから先も、何処までもついていきますか。
 これから先も、何時までも付いていけますか。
「獅子」は子を千尋の谷に落とすといいます。(大きく強く成長させるために)
日本の保育と考え方が違うし、早くミック君を現実のタイ社会の姿を実感させてください。(郷に入れば郷に従え)
それには、親が側に何時までも付いていたのでは、「だめ」です。
保育、幼稚園は『親から離れる』第一歩の手段。集団生活に早く練れさせてください。(すいません。偉そうに。長くなりました。)参考になれば。
Posted by 阿羅漢 at 2010年05月31日 12:09
綺麗な蓮(睡蓮にも見えますが)ですネ!
今日の続編、呆れ返りました。
郷に入れば郷に従えで、子離れ論もあるとは思いますが!!
すべての教育現場が、この状態ではないのでしょうが、それにしてもこの環境には、疑問を感じます。
「ミックくん」ファンクラブとしては、頑張って「負けないように!!}としか言えませんがぁ~!?
知れば知るほど、タイ社会を角度を変えて体験して、力強く生きておられる「パットニャオ」さんの人生に、感動を覚えます。
頑張ってくださいネ!!

また、後日談を待っています☆
Posted by チャンドラ at 2010年05月31日 16:57
こんにちは、ずっとロムっていたんですが、多分、初めての書き込みになると思います。
バンコク在住の我が家にも今年5歳の男の子がおります。
3歳のときに近所の幼稚園にオー1として入園(ナーサリーでは内容が幼すぎたので、オー1に編入)したのですが、
先生は2人いるのにDVD漬けでした。
しかも、先生に叩かれて、家でも親を叩くようになってしまい、別の幼稚園に転園(オー1やり直し)しました。

タイの幼稚園って(特に公立)は、子供たちを愛情をもって教育する、と言うのではなく、先生がいかに楽をするか、ということに重点が置かれているんですよね。
まさにDVDに子守をさせている状態じゃないですか!
心配な気持ち、痛いほど分かります。

評判がよくないという、もう一つの学校はいかがですか?
学校の評判って、最終的に自分で見てみないと解らないものですよね。
うちの最初の園も、評判はよかったんですよ...(涙)
私の場合、先生が子供を叩く、しかもそのことを隠そうとする、というのは譲れない点だったので、転園したのですが、パットニャオさんも「これだけは!」ということ以外はやっぱり妥協していかないと、にっちもさっちもいかなくなっちゃいますよ。

地方は選択肢も限られているとは思いますが、少しでも改善されますように!
Posted by NAT at 2010年05月31日 21:38
こんにちは。

旅行者として、イサーンに数ヶ月いた者です。パットニャオさんのリ
アルイサーンのブログを読ませていただいて、今、頭の中でタイ人と
は?とか、旅行中疑問でならなかったことをずいぶん解消させていた
だきました。

で、なぜ先生が同じDVDばかりをかけるのか?

 こういう疑問は私もずいぶん持ちました。理由はたぶん、めんどうくさいから、なんじゃないかと思います。我々多様性文化で育ち、飽きっぽい国民性のものからしたら、大変疑問なんですが、例えば、コラートの同じレストランに毎日行っていた時があるんですが、毎日同じバンドが数組入って、まったく同じ曲を毎日やるんです。スタッフとは仲良くなったのですが、それが苦痛で行かなくなりました。
 そういうことが、色んなバーとかでもあって、ママになんで毎日同じCDばっかかけるんだ?と聴いたら、恥ずかしそうに笑って、明日新しいの買ってくる、と言ってました。(もちろん買ってくる筈はない)。で、毎日同じCDばっかかけるのも、どうやら好きみたいですね。安心感があるのかも。

 いわゆるタイ人のキーキャットな性質がそうさせてるんだと、私なりに理解しました。で、日本人みたいに飽きっぽくない、と。
 
 これからもイサーンに埋没してのタイ人研究のフィールドワーク、旦那さんの猜疑心にもめげず、がんばって下さい。楽しみにしております。
Posted by 重樹 at 2010年06月01日 00:30
☆ 私もうちの娘の時は心配しましたが、無事中学生にまでなりましたからなんとかなったのか、学校を嫌いにならなかったので悪いことがなかったのでしょうか。
それともそんな教育が赤シャツテロ隊なんてものが発生する原因なのですかねえ。
Posted by ピヤポン at 2010年06月01日 05:31
高田さん、こんばんは!
いや~、「お母さんだから」というより、「タイだから」なのだと思います。
人の余計な揉め事に割り込むとか、タイの田舎の常識ですので・・。
夫婦喧嘩でも、犬の喧嘩でも・・。
こういう他人の子供がしていることでも、日本なら「余計なおせっかい」かとためらうところですが、タイの田舎では他人の子供も自分の子供もないので、こうなります。

阿羅漢さん、こんばんは!
ありがとうございます。大変参考になりました。
来週から、朝早く送って行き、学校で先生と朝ごはんを食べさせて、置いてくる予定でおります。

チャンドラさん、こんばんは!
応援ありがとうございます。
来週から、ミックは一人で頑張る予定です。
あの危ない子供たちの行動がなければ、ミック自体は先生のご機嫌取りが好きなので、問題なく過ごせると思うのです。
万が一・・・の危険を妄想してしまうのが、悪い癖ですね。


NATさん、こんばんは!
はじめまして。
タイでの子育て、いろいろ日本と比べてしまうと大変な面も多いですよね。
それに、長男もそうでしたが、学期の途中で転校したりすると、もう一度前の学年からやり直せとか・・。
融通が利かないし、自分の都合優先のところがタイらしいです。
また、覗いてくださいね。


重樹さん、こんばんは!
はじめまして。
そうですね。私はてっきり、「カーン・クルワイ」のタイ的なところとか、道徳心を養うために、教育的な目的でしつこく何度も見せるのかと思いましたが、先日、ミックが自前でウルトラマンのDVDを持っていって先生に渡したら、それを掛けて見ていました。
単に他のDVDがないとか、面倒くさいだけだったのかも知れませんね。


ピヤポンさん、こんばんは!
ピヤポンさんのお嬢さんは、何となくお友達が多そうですよね。きっと楽しい学校生活なのではないでしょうか。
Posted by バットニャオ at 2010年06月06日 01:14
私立の幼稚園なんかだとまた事情がちがうんでしょうか?

うちの会社の総務マネージャーの娘さんも、ずっとおばあちゃん子で育っていて幼稚園に行くときは毎朝泣いていたといってたけど、まさかこういう状況だったわけでは…??

どうせDVD見るだけなら、幼稚園に行かずに家で見るって手もありそうですね。幼稚園から英語勉強しているなんて聞きましたが、家庭教師さんとかに来てもらって小学校前準備をするのはどうでしょうか?
Posted by NAPPY at 2010年06月06日 15:18
桑原さ~ん!お元気ですか?
万里くん、らーわんちゃん、なりんくんも大きくなったことでしょうね。
ベルガーデン保育園の井田・佐藤・北村・河合・小宮…
ブログ懐かしく、又おほめの言葉もたくさんいただいて、とても嬉しかったです!!
タイの生活はいかがですか?
4人目のお子さんの子育てに頑張っていられるようですね。
又、お目にかかれることを楽しみにしています。
ご連絡いただければ、メールのやりとりできますね。
Posted by ベルガーデン保育園 保育士達より at 2010年11月12日 17:39
ベルガーデン保育園の皆様

コメントありがとうございます。
もしかして、実名を出して、何か検索に引っかかるかな?という期待?もあったのですが、本当にコメントいただけて、本当に嬉しいです。
私の8年間大事にしまっておいた思い出が甦るようです。
母の私が保育園にこんなに懐かしい思いを抱くのもどうかと思いますが、子供たちにも、私にとってもあの数年間がとても幸せな時間でした。

コメントでは、書ききれないので、是非メールのやり取りをしたいのですが、ベル保のホームページを見ても、お問い合わせなどのメールアドレスも見つからず、途方にくれております。
もし、よろしければ、このブログの左側にある、「オーナーへメッセージ」の「メッセージを送る」のところをクリックしていただいて、短いメッセージでも結構ですので、送っていただけると、その送り主のアドレスに返信できるのですが・・・。
子供たちの現在の様子や近況をお知らせしたいので、是非、ご連絡お待ちしています。
Posted by バットニャオ at 2010年11月13日 02:36
コメントでは、書ききれないので、是非メールのやり取りをしたいのですが、ベル保のホームページを見ても、お問い合わせなどのメールアドレスも見つからず、途方にくれております。
Posted by パーコピーブラ at 2013年07月09日 12:16
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