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ナムジャイブログ

2010年04月06日

タイの学校の内情

 さて、前回に続き、長男の高校進学の書類審査に行ってきた話です。

 長男・長女が毎日乗って通学している、廃車処理場から持ってきたようなバスに乗って、学校にたどり着いた私たちは、さっそく書類審査の用紙をもらい、5~6ページもある必要事項の記入欄に、長男がせっせと記入していきました。

 思えば、3年前、この学校を受験したときには、まだ自分でこういう用紙に記入も出来なかった長男が、だいぶ成長したものだと感慨に耽りながら、横で見ていました。

 あの頃と違って、今は私は隣にいて、保護者の書名欄にだけサインすればいいようになりました。


 ですがただ一箇所だけ、長男が聞いてきた箇所がありました。

 それは、保護者の「年収はいくらか」を記入するという欄。

 これは、この学校に限った話ではなく、長女の通う別の中学でも聞いてきます。


 つまりは、生徒の保護者がどれくらいの経済力があるか、ひいては、どれくらい学校に貢献できる可能性があるかを調査しているのです。

 まず、長男が中学の入学試験の合格発表の日でした。
合格者の父兄を集めて、校長が祝辞を述べるとともに、まったくの初日から、ある用紙を配り、

「皆さん、この用紙に、ご父兄の皆さんの寄付金の予定額を記入してください。金額はご自身の都合に任せます。ですが、本日記入していただいた金額は、入学式の日にご用意下さい。ただし、この用紙に書かれた金額は『ジャオポー・パヤレー』に宣誓したとみなされますので、約束の金額を破られますと、あなたに何が起こるかもわかりませんよ・・・。」

と、半分脅しのような挨拶をしたのです。

 この中に出てきた『ジャオポー・パヤレー』というのは、ここチャイヤプム県の始祖と言い伝えられるいわば「チャイヤプムの父」であり、県の中心部にその銅像が建っていて、そこに願掛けに来る人で毎日賑わっているそうです。

 
 まあ、その寄付金の話は置いておいて、とにかく、タイの社会と裏金が表裏一体なように、タイの学校も、試験に合格しない子供が入学する手段がたくさん用意されています。
しかし、それはどれも「社会に認められた入学方法」なので、やることは日本や外国の「裏口入学」と同じですが、タイでは「裏口入学」のように、後ろめたい言い方はしません。

 入学方法は多種多様で、推薦入学、運動や芸術の特待入学、などはもちろん、正規の筆記試験、それのどれでも入れない子供のために、あらかじめ、くじ引きの「抽選合格」、それから、最初から学校側から金額が提示される「寄付金入学」がなどがあります。

 本来なら、この「抽選入学」や「寄付金入学」のためにとってある枠を取り止めて、正規の筆記試験の合格者枠を増やせば、学校の学力水準が少しは上がると思うのですが、学校側は資金確保のために、あくまでこの大金が入る「金づる」生徒の枠を無くそうとはしません。

 抽選の生徒も「合格」が決まった時点で、一般入試の合格者よりはだいぶ多目の寄付金額を提示されるそうです。
もし、払わなければ、抽選なのでその資格が次の「寄付金を払える人」に流れてしまうのです。

 そして、抽選にも外れて、「寄付金入学」を勧められる人は、長男の年の相場で2万5千バーツから4万バーツだったという話です。
そして、その「寄付金入学者」枠は、学年全体の10%に当たる、50人くらいだそうですから、一度の入学試験で、百万バーツ以上の金額が「正統な経路」で、学校に入ってくるのですから、やはり学校側は「寄付金入学者」が、如何に学校の質を下げても、その大事な収入源を絶ち切るつもりなどあるわけがないのです。


 まあ、こういう裏金に限った話ではなく、うちのように、一般入試で入った場合でも、入学式、保護者会など、学校に出向くたびに、この「保護者の年収はいくらですか?」という質問票を必ず毎回記入させられます。
私は、外国人配偶者なので世間的には「無職」という身分になっているので、いつもどう書いたものか・・・と毎回悩んでいたのですが、今回、帰宅してから、主人に聞いてみたら、真剣に答える気がない主人は、

「チャック・レーオ・・(知るかよ)」と答えたのですが、そう書くわけには行かないので、しつこく聞いたら、次に出てきた答えが、

「マイ・ネー・ノーン(不定、決まっていない)」・・・・・うん!これはいいかも。

 確かに自営業なので、収入はサラリーマンのように定額じゃない、この答えは私が日本で答えるときもこんな風に言えそうです。


 今度の保護者会からは、これで行こう!
たまには、気の利いたことを言うものだ・・・と少し主人を見直した晩でした。



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Posted by バットニャオ at 02:34│Comments(8)
この記事へのコメント
☆ うちの娘もそんなことがあったのだろうか?
驚くような金額は要求されてないし、収入も聞かれてないが、見栄を張るべきかタイ人工員と同じよりちょっと色をつけて1万バーツなんて書いたらまずいのですかね。
3月にはパスポートのコピーをいっぱい持っていったので、それが合格の基準になったのでしょうか。
Posted by ピヤポン at 2010年04月06日 07:01
日本では、「裏口入学」ならぬ「裏金入学」が判明すると、大きな社会問題となりますが、お国柄ですか。公然とそれも将来の国を背負って立つ人間を教育している学校教育を行う公の機関が。
日本と違い国,県,市からの補助が無いのですか。所変われば何とやら。
所得申告は少なめに。自己過小評価が大切です。これは何処に居ても同じことがいえます。
Posted by 阿羅漢 at 2010年04月06日 12:32
最近この「月収、年収」の質問ってどこでもありますよね~。なんかセブンイレブンのプリペイドカードに申し込んだときもその項目があって、つい書いてしまいましたが、良く考えたらプリペイドに年収の申告はまったく不要ですよね(苦笑)。

しかし、お子さんがらみのことだから、いっそ「年収500万バーツ以上」とかいて周り中を驚かせたいような気もしますが、そうすると寄付だの借金の申し込みだのが増えそうだし、痛し痒しみたいな感じですね...
Posted by C&Y TRADING.COMC&Y TRADING.COM at 2010年04月06日 13:08
年収を露骨に聞くところなんて、すごいお国柄ですよネ!
学力向上より経営論がまかり通るのもさすがです!
タイ人を理解する上で、パットニャオさんのお話はためになりま~す。
なんやかや言いながら、ご主人とも仲むつまじそうで!!
Posted by チャンドラ at 2010年04月06日 23:06
在、25年、オーナー社長、曰く「全て、裏金の世界」だそうです。

小事から大事にいたるまで、個人も会社もその他、裏金社会でなりたって

のが実情です。

私も、バンコックで飛行機が満席のとき、「裏金」の効力をまざまざと体験しました。日本では問題化でしょうが、マイペンライの風土です。

上手く、利用しましょう!
Posted by タイ大好き at 2010年04月08日 01:16
こんにちは。
学校の裏事情(いや、裏じゃないか、、、)恐るべしですね。
うちの子はまだ小さいんでタイの学校事情とか知りませんでした。

うーん、タイの学歴は「お金さえあれば、、、」ですね、、、笑
Posted by イルカ at 2010年04月08日 02:19
今回の話しを拝読して、昔タイに着任した時の事を思い出しました。
 勤務先の研究所で日本から送った荷物をまだかまだかと待っていた時、日本の一流の運送会社のバンコク支店から電話を貰いました。あなたの荷物は港に着いているが、通関手続きにあと数週間かかる。しかし何千バーツ(金額は忘れた)か払えば数日でそちらに届ける事ができる、と言うものでした。迷わず指定の金額を払いましたが、その時からタイの裏金社会の現実を知りました。
Posted by ファン at 2010年04月10日 09:57
ピヤポンさん、こんばんは!
そうですね、娘さんはVIP扱いだったかもしれませんね。
娘さんは、今年中学生でしたか?
でも、今は他の娘さんのことの方が重大だったりして・・・。


阿羅漢さん、こんばんは!
「公然と・・」というか、「当然」のことのようです。
入学式の「寄付金説明会」では、スライドを見せられて、

「はい、このコンピュータークラスの設備投資に何十万バーツ掛かっています。これは、父兄の皆様からのご寄付の賜物です。」

「はい、これは、創立99年を記念して、立て替えた新校舎です。これには、何百万バーツが掛かりました。これも父兄の皆様・・・」

と、このように、「裏」ではないのですね。

そうそう、阿羅漢さんが、よく通られる学校とジャオポーの間の学校名を刻んだ石の看板、あれは「二十万バーツ以上」掛かったそうです。



NAPPYさん、こんばんは!
そうですね、見栄を張って・・・みたら、余計な「寄付金のお願い」とかが増えそうなので、なるべく少なく書くことにしています。
でも、自分でもいくらが年収・月収なのか分かっていないのが本当のところです。


チャンドラさん、こんばんは!
多分タイ以外にも、年収などを聞くところはあると思いますが、こう堂々と寄付金の話に持っていくのはどうでしょうか。
主人とは、つかず離れず・・・といった感じです。むつまじいとはお世辞にも言えませんが・・・。


タイ大好きさん、こんばんは!
そうですね。
私も使えるところは、利用させてもらってます。
特に役所関係では20バーツから100バーツくらいのお茶代やお昼代で、面倒な手続きや時間が大幅に削減できますから。
でも、子供の学校関係では今のところ「特別手数料」は使っていません。
でも、将来的に、就職するときになって、警察幹部へのコネとか、役所の管理職へのコネの話があったら、主人は払うかも知れないと言ってますが・・。


イルカさん、こんばんは!
こちらのコメントでははじめまして、ですね。
お子さんがまだ小さいそうで、これからこういう話も出てくるかも知れないですね。でも、こういう寄付金は有名校だと、幼稚園からありますから・・。


ファンさん、こんばんは!
「日本の一流の運送会社」のバンコク支店というところがミソなのですね。
日本の会社でも、「郷に入れば郷に従え」となるのですから・・。
でも、いったい、何千バーツかかったのでしょうか?
Posted by バットニャオ at 2010年04月16日 03:16
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